中波 AM 遠距離局の放送を聞くために

おことわり

ここに記述されている内容は、伝聞、うつろな記憶あるいは経験則に よるものであり、なんら正しい電気/電子工学的文献に基づいたものでは ないことをあらかじめお断りしておきます。


動機

ある程度声優関連番組にはまってくると、近くの局で流れていない お目当ての人の番組を聞きたくなってくる。僕は関西に住んでいるから、 大阪の各局の聴取にはさほど苦労しないが、それでも大阪の局でやっていない番組 というのはある(文化放送がキー局の COME ON FUNKY LIPS 等)。 地方などではさらに聞ける局数に限りがでてくるだろうし、 アニゲ番組の総本山ともいわれる文化放送を直接聞きたくなるのは当然の欲求といえる。


デジタル表示チューナーのすすめ

遠くの局を聞くのでまず困るのは番組表が新聞に載っていない点だ。 星の数程あると思われるアニゲー番組関連の Web ページや関連雑誌で なんとかお目当ての番組の局と時間がわかったにせよ、 アナログチューナーで弱い電波に、目的の時間までに正しくチューニング するためには、その番組の前にどんな番組をやっているのか知っていないと むづかしい。

お、今日はうまく入るな、などと思っていたら目的の番組が時間に なっても始まらず、慌てふためいてうろうろしていたら結局周波数はあっていたが、 ナイターの延長で放送時間が変わっていただけ、などということもあったりして、 落ち着けない。

周波数がデジタルで表示される PLL チューナーならその点余裕をもって 番組にそなえることが出来るので、周波数に関しては気にしないで受信状況を 改善するための他の手段(アンテナの方向を試す、部屋の中で雑音が少なく、 よく入感する位置を探す、など)を講じることができる。

またデジタル表示であわせて全く入感しなければ、 その局をその時間に安定して聞くことは おそらく無理なのだ、とあきらめもつくだろう。

主に使っているラジオがアナログダイヤルのラジカセ等の場合でも、 デジタル表示のポケットラジオをイヤホンで聞きながら同じ音が聞こえる箇所に チューニングすれば、ほぼ正しい周波数にあわせることが可能である。


ポケットラジオのすすめ

ポケットラジオを勧める理由はもちろん外出先でも聞けるという利点もあるが、 おもに内蔵アンテナの指向性と、雑音源を避けて容易に持ち運べる点にある。

外部アンテナを接続しなければいけないタイプのチューナーを除けば、 中波ラジオは受信に内部のバーアンテナを使用しているのだが、 このアンテナには指向性があり、状態の良い時はさほど違わないが、 鉄筋の建物の中で受信する場合や、 遠方で電波が弱い時にはポケットラジオの方向を様々に変えることで 受信状態がよくなることがある。
(アンテナがたいてい横向きに内蔵されているので)

また、アンテナ方向を変える事で混信を回避できたりもする。 ラジカセ等の内蔵アンテナも本体ごと回せないこともないが、 ポケットラジオのように簡単ではないだろう。

電気製品から出る雑音のすくない場所に移動させて聞くことができるのも利点だ。 どうしても聞きたいが弱い遠方の局は、ポケットラジオなら 最後の手段として屋外にでて聞くこともできる。 また、本体が小さいので後で述べるループアンテナとの「結合」もやりやすい。

現在僕が使っている機種は AIWA の CR-D60 なるラジオで、 大阪日本橋で 五千円程度だった。 (ラジオごときに五千円は高い、とおもうなら、あなたの感覚はまだ正常だ^^;)

スピーカーはついていないイヤホン専用だが、 AM ステレオ/FM ステレオ/VHF の 3 バンド受信可能で、 イヤホン端子に安物のスピーカーを繋いで聞いている。 欠点は操作性が最悪なこと(一体どういう人間が設計をしたらこうなるんだろう)、 電池の減りが早いこと、だろうか。

昔、海外短波放送を聞くために買った SONY ICF-SW1 なる当時数万円したラジオ (これも PLL シンセサイザチューナー)も持っているが、 アニゲー番組(中波放送)を聞く限りでは2機種の受信性能に違いは感じられない。


ループアンテナのすすめ

この節では、ちょっとした投資(千円弱)で出来るオカルトな受信用アンテナ (オカルト、というのは、回路設計になんの根拠もないから) のつくりかたについて述べる。

材料は 1 周 (電線を巻き付ける辺の合計の長さが) 1 メートル程度の紙箱、 電線 20 メートル(エナメル線かビニール線、 とにかくむき出しでなく巻きやすいもの)、 AM 用ポリバリコン 1 個、はんだ少々、である。

ポリバリコンというのは、アナログチューナーの同調つまみに使われている 部品そのもの(可変容量コンデンサ)だから、 壊れたラジオがあるなら、流用してもよいはず(根拠なし)である。 僕は大阪日本橋の共立電子で 400 円で入手した。

難しい原理はわからないが、ようするに電波は波だから、 アンテナが構成する回路がちょうど良くその波の振動数とシンクロ(笑)できる点が 回路に挿入されたコンデンサの容量が変化することで変わるのだろうと推測される。 うーん、オカルト(笑)

作り方は誰でも想像がつくとおり、紙箱の 1 メートルの外周にぐるぐる 電線を巻き付けてゆくだけである。巻き終ったら、ポリバリコンの端子のうち、 ここぞと思う 2 つの端子(僕が買ったのは 3 端子のものだったので、 まんなかとどっちかの端、たぶんどっちでもいい)に電線の両端を接続し、 電線を巻いた辺の長方形が横から見えるように (つまり、電線を巻いた長方形の張る平面が地面と垂直になるように)置き、 箱の中にポケットラジオを入れるか、 近付けて感度に変化があるかどうか確かめてみる。

つまり、ラジオの中のバーアンテナと作成したアンテナ回路を「結合」 する必要があるのだが、内蔵アンテナには直接繋げない(中を分解すれば別だが)ので、 内蔵アンテナの巻き方向と、この箱の回りの電線の巻き方向をあわせて、 電磁気的に「結合」するわけだ(本当か?)。 よって、ラジオ(の内蔵アンテナ)の方向が重要で、作成したアンテナの(巻いた電線の)長方形の 張る平面に垂直に突き刺すように内蔵バーアンテナを位置させる必要がある。

バリコンのダイヤルをグルグル回して何らかの変化(音量が大きく/小さくなったり、 聞こえが急に良く/悪くなったりする)があるようなら成功である。

うまく行かない場合、バリコンにつなぐ端子を間違っている、 あるいは巻き数が多すぎる/少なすぎるなどの理由が考えられる。 箱の大きさ、巻き数などは伝聞や経験則なので、もっと良いパラメータを ご存知の方があったら教えて頂きたい。

僕の場合はそれなりにうまく働いてくれていて、 バリコンの位置をあわせれば、TBS(954kHz) などは窓際に行かなければ聞きづらかったのが、 雑音が入るものの枕もとでゆったりと聞けるようになった。 文化放送(1134kHz) も韓国局の混信も同時に強くなるが良く聞こえるようになった。 ただ、高い周波数(たとえば ラジオ日本 1422kHz)では余り効果がなく、 巻き数、あるいはバリコンの可変域が関連していると思われる。

もちろんこのアンテナにも指向性があるので、ぐるぐる回すことが重要である。 また、感度が上がる分雑音を拾いやすくなる点には注意する必要がある。

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