喫茶「マウンテン」とは、名古屋にある喫茶店で、一部の人々の間では 超有名らしいのですが、僕は愚かにもその事実を知らず、 KENCO-ML メンバー某 E 氏の策略によって、あろうことか岩男さんのライブの前に 軽い気持ちで訪問してしまったのでした。 以下はその顛末(ML に流したメールに、自主規制を加えたもの)です。
なお、喫茶「マウンテン」の詳細については、「マウンテンの友」のページに詳しいです。
まず、店の場所ですが、前に車で通った道沿いでした。 いりなかの駅の広い通りから入って、つき当たりの道を左折したのを 覚えておられるでしょうか。道がちょっとうねってましたが… だいたいその当たり、駅から徒歩 10 分、ってところです。
あの日なんで気が付かなかったか、というとですねぇ、 看板が店の前の駐車場の壁に貼り付いてまして、それが 車の進行方向とちょうど反対側だった、という訳です。
帰り際にアベックが店の前で、「ほら、やっぱりここにあった」 などとほざいてましたが、きっと彼らも噂を聞いて車で探したものの、 みつからなかった組なんでしょう。
まあ、結局あの日気が付かなかったのが正解だったんですが…
それはともかく。
見た目は、「ほんとにココやってるの?」っていうくらい、 「営業中」のキタナイ看板が嘘つきに思えるような感じで、 駐車場の奥にあるため、おばけやしき、とまではいいませんが、 知ってる人でないとちょっとよりつきがたい店がまえです。
おそるおそる中に入ってみると、おせじにもキレイとは言えない店内で、 周辺の大学の学生とおぼしき連中がたまっていました。
僕は入って左手にあった仕切りの奥に 2 人がけのスペースをみつけ、 そこにこしをおろしました。照明は喫茶店らしく薄ぐらいのですが、 ちょっと気味が悪いです。
入店を気付いてくれなかったような気がしたので、ウェイターのお兄さん (多分、昨日道を聞いたとき電話にでたのはこの人)に声をかけて、 メニューをもってきてもらいます。
まず、メニューをみて驚くのは、スパゲッティの種類の豊富さでしょう。 ざっと 40 種以上はあったと記憶しています。 とりあえず今回の目的の「甘口抹茶小倉あんスパゲティ 800 円」を探し、 注文しました。
メニューの下の端の方にあった、「必ずお一人様 1 品注文して下さい」 とかいう注意がきが気になったものの、このときは何のことか良く分かり ませんでした。
注文して待つこと約 10 分。待望の「甘口抹茶小倉あんスパゲティ」が 目の前に。
その瞬間。僕は言葉を失いました。
まるでうどんのように異様に太く、緑色に染まったパスタが 大方 3 人前はあろうかと思われる分量、もうもうと湯気を立てており、 なんとその上に小倉あんとクリーム、さくらんぼと黄桃までが 唖然としている僕をあざわらうかのように座っていたのです。
「いかん。これではまるで『挑戦もの』(注:過去に ML メンバー内で行われていた、食をテーマにしたイベントのこと)ではないか。」
「E 藤、図ったな(笑)」
しかし、注文してしまったものはしようがないので、とりあえず緑のうどんを 右手の指の力をふりしぼって巻取り、口に運びます。
「う。」
すでに 1 口目で
「もうけっこうです。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい 僕が未熟であったことはあやまりますから 金輪際こんなものを出すのはやめてくさだいやめてください ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」という心境でしたが、いくらなんでもそれでは失礼かと思い、 なんとか我慢して口に押し込もうとするのですが、これはもう、なんといいますか、 非常に辛い作業です。
餡をすこし口なおしに食べてはパスタ、 餡をすこし口なおしに食べてはパスタ、 餡をすこし口なおしに食べてはパスタ、 餡をすこし口なおしに食べてはパスタ、 餡をすこし口なおしに食べてはパスタ、を気分的にはほぼ無限回反復したつもりなのですが、 結局消費できたのは 2/5 程度。
ここでコンサートの開場時間まであと 30 分になりました。 あとすこしでもかさを減らそうと思い、 クリームと餡を平らげたので精一杯…
「このままでは岩男さんのライブに間に合わないからしようがないんだよな、 本当はもっと食べたいんだけど」
と心の中で念じつつ、そそくさと店をでました。
ふう。
店を出る前、隣のテーブルで「ネバーギブアップ」がどうの、という会話が 交わされていたので覗いてみると、おおかた 3 人前はあろうかという かき氷がテーブルにのっておりました。
名古屋港の某喫茶店(注:KENCO-ML メンバーによる『挑戦モノ』が 過去に敢行されている)と同様、この店は「とんでもなく量の多いものチャレンジ」 な人々にとっては、けっこうメジャーなのかも。
「いりなか」が我々にとって新たな聖地になる日も近いでしょう。 ペーパームーンもあることですし。
あ、ちなみに僕はもう 2 度と行きませんので、皆さんで楽しんできてください。
(1998/8/22)