國府田マリ子コンサートツアー '97 「なんでだってば!?」 in 愛知県勤労会舘

基礎でーた

マリ姉が 9 月にリリースしたアルバム「なんでだってば!?」と同タイトルで '97/10〜'97/11 にかけて行われた全国ツアーの名古屋公演。11/24 (月)の振替休日に行われた。 会場の愛知県勤労会舘は JR 中央線鶴舞駅下車、徒歩 5 分、鶴舞公園内に有る。開演は 18:00 〜。

ちなみにチケットは予約開始時刻から「チケぴ中京」にいした(仮)さんと 2 人がかりで 20 分程電話をかけ続けて入手。 追加公演もあるらしい(こちらは 12 月上旬現在、まだ CM をしてるので会場によっては チケットがあるようだ)ので、まだ間に合うかも。


イベントレポート

会場の愛知県勤労会舘についたのは、もう開演の 10 分程前。 前日から名古屋で飲んだりしていたので、結構かさばる荷物を手に入場。 余計なもの(ノートパソコン等、その気になれば録音可能なもの)を色々持っていたので、 入口でチェックをうけるとき、どうしたものかと思ったが、検査の係はディパックを うえから軽くなめただけで、あまり熱心な検査はなかった。

会場は思ったよりもキャパシティが小さかったが、座席が2階の後ろのほうだったため、 舞台がとても遠く感じる。はじめのうちノレなかった原因かもしれない。

コンサートのパンフレットなぞ買った事がなかったので、 同行のいした(仮)さんに買ってきてもらう。なんと価格は 2,500 円。 そういうものかと自分を納得させて中を見ると、実体はマリ姉の写真集であった。 彼女のビジュアルにはあまり感心がない声ふぇちな僕としては、 あっちゃー、な感じではあるが、むささびな袋は気に入ったので、まあいいことにする。

程無く開演時刻になって、マリ姉が登場。
1 曲めはたしか、青空のキモチ(なんでだってば)だったかな。 曲はすでにはじまっているのだが、なんか自分自身のテンションが低い。 「あー、姉ちゃんがなんか前でうたって踊ってはりますなあ」って感じである。

舞台の上のマリ姉や、バンドの方々はおそらく開演にむけてテンションを上げて 一気にスタートしているのだと思うのだが、開演当初でまだ冷えた客席とのギャップが 有ったように思えたのは僕だけの錯覚だろうか。

マリ姉が曲にのって踊っているのをみていると、ますますギャップを感じはじめた。
「このまま会場で取り残されるんじゃないだろうか」とまで思った。
周囲は一応立って曲に応えているように見えたのだけれど、勝手が判らず、 前が見えなくなってしようがなく立っているような人と、 昔からのファンなのか、勝手が判っている人とに二極化していたように思われる。

テンションが上がらないまま数曲をやりすごした。
1 曲めが終ったところでトークを入れて僕のような初心者(笑)をのせて欲しかったのだが、 いきなり何曲か連続で唄ったあと、ようやくトークがあった。

はじめの雰囲気でちょっとがっかりしていた事も有ったのだが、 トークでもテンションの差は縮まらなかった。 コンサートなのだから、自分でテンションを上げろ、というのが正しいのかも知れない。 が、僕は決して醒めていたわけじゃあないと思う。楽しもうと思ってここに来たのだし、 彼女の曲もコンサート前に(もちろん全部ではないが)何度も聴いてやって来たのだ。

それでも、はじめのトークが終って、また数曲聞いているうちに、 ふと周囲とのギャップを忘れてマリ姉の声に意識を傾けることのできる瞬間ができたのは、 「シンデレラまであと 5 分」だったか、「風がとまらない」だったかは思い出せないけれど、 種さんの曲だった。
曲自体に、聴いている人間のいわゆる「ノリ」を良くする要素が しっかりと入っているのだと思う。 欲をいうなら、こういうタイプの曲をはじめに持って来て欲しかった。

マリ姉の唄声で種さんの曲を聴き、そして自分も つられて心の中で歌っているうちに、ふっとテンションの差のことなんかどうでも良くなって、忘れてしまっていた。

一旦自分の中でテンションが上がって来れば、あとはさすがにマリ姉のこと、 知らない曲もありはしたものの、ちゃんと HI な方向につれていってくれた。 「オオアリクイもマーチ」「ムサ君」などは曲自体のノリが良いこともあって、 自然に体が動いてしまう感覚があった。 「ひとり暮らしブギ」、「愛と勇気の健忘症」もなかなかだった。

中盤、会場のテンションもだいぶ上がって来てからこのへんの感じは、 僕の拙い表現力ではうまく書けないとおもうのであえて省略するが、 他の会場に行かれた人はもちろん、行かれなかった方も想像に難くないだろう。

そんな中盤で一番印象にのこったのは、「きんいろ月ぎんいろ星」。 メロディーは大好きなので、よく口ずさんだりするのだけれど、 アルバムを聴いているとなんだか心許ない歌い方だと思っていたが、 コンサートで聴くとさすがに上手いと感じた。

バンドメンバー紹介のトークはマリ姉のパーソナリティとしての本領発揮で、 トーク自体も、前半のときよりかなり軟らかくなっていたような気がする。

アルバムのほぼ全曲を演奏し終り、 本編のラストは僕が一番聴きたかった「笑顔で愛してる」。 なかなか歌わないなあ、と思っていたが、やっぱり最後にもってきたようだ。 この曲も種さんの曲だが、クオリティが高い。

手を叩いて声援するタイプの曲ではないけれども、 この曲を歌っているマリ姉の声を聴いていると、体が中から温められるような ふしぎな感覚を覚えるくらいに、聴く人を「連れて行ける」曲だと僕は思う。

この後、少々長いアンコールがあって、 その後のオーラスは、昔のアルバムのノリのいい曲で 「みんなで唄って」さようなら、という形をとったのだが、 おまけとはいえ「なんでだってば」ツアーなのだから、 昔からのファンに対するサービスという面はあるにせよ、 オーラスにあえて昔のアルバムの曲をもってくるのはどうかと感じた。

アルバム「なんでだってば」にはいろんなムードでオーラスを締めくくれる曲がいくつもあると思うし、 彼女にはむりに盛り上げなくても十分に観客を「連れて行ける」実力と魅力があると 僕は考えるからだ。

(にしやま mio@mio.rim.or.jp)


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