岩男潤子コンサートツアー 1999 〜 2000
ライブサーキット in 浜松エアロホール にたどり着くまでのおはなし

以下、長編オチなしのまえふりです。 JR 東名ハイウェイバスで浜松へお出かけの方はご参考にどうぞ(笑)
なお、ライブレポート本編はこちら


まえふり

家を出たのは 10:20 ごろ。

じつは昨日の夜からぱらぱらと時刻表を眺めながら、 いろいろ今回の移動手段について検討していたのだが、 昔、休日毎に遠出していた頃のように、深夜に出かけるような元気もなく、 かといって、いくらコンサートに行くのが主目的だからとは言え、 前回のように往復新幹線では、まったく味気ない。 そういうわけで、復路新幹線利用となるのは仕方が無いにしても、 往路は他の手段を検討してみることにした。

まず考え付くのは JR の在来線だ。 普通列車で行っても、4 時間もあればつくのだが、夏に以前昼行をのりついで 大阪まで行ったとき、静岡辺りで混みまくって(沼津以遠で編成が異様に短くなるのは 何かのいやがらせなのか?)立つ羽目になるわ、いわゆる「冷房酔い」を起こすわ ロングシートの連続で腰をいわすわで散々だった覚えが有るので、 東京から快速乗り継ぎは避けたい。新宿から小田原まで小田急、 というバイパスも思いつくが、小田原から結構長いのだ。

次に東名ハイウェイバスという選択肢にたどり着く分けだが、 こいつは高速を走っている関係上、バス停は高速道路上にある。 高速バスのバス停がトンでもないところ、つまり (高速バス以外の)公共交通でたどり着くのが困難なわかりにくい場所 にあるのは途中の停留所を利用した事がある人ならよくご存知だろう。

「浜松北」なるバス停が浜松駅に一番近そうだが、 ハテ、この「浜松北」は一体ドコに存在しているのだろう?

JR バス関東に問い合わせればすぐに分かることだろうが、 向こうでいろいろ迷うのも一興、今回は敢えて聞かずに行って から試行錯誤をしてみることにする。

ただ、その分十分時間に余裕を見て出発する必要がある。 今回の開場は 17:30 だから、「浜松北」には少なくとも 1 時間前には 着いておきたいところ。

時刻表によると、11:40 発の臨時便名古屋行き超特急バスが「浜松北」に 停車するらしい。これだと「浜松北」到着は 15:11 分予定で、十分間に合いそうだ。 そういうわけで、冒頭に書いたように午前 10 時過ぎに家をでたのだが、 新宿に着いたのが 11 時過ぎ 、そのまま直接乗り込むなら問題ないけれど、 できれば帰りの新幹線のエコノミー切符を八重洲口の金券屋で 調達しておきたいところだ。

中央線で東京駅に着いたのが 11:20 、地下街を抜け、金券屋にダッシュして、 帰りの切符を GET。6920 円なり。ちょっと息切れ。 めげずに八重洲南口のバスターミナルへ。

1 番のりばに並んでいる人の列が目にはいる。 11:30 発の急行(各駅?停車)バスが発車準備をしていた。 そのあとにつけているバスが超特急らしい。 まだ十分間に合いそうなので、切符を買いにうりばの自販機へ。 こちらは 3670 円。新幹線のほぼ半額である。

バスの切符を購入後、売店で「十六茶」のペットボトルを買い、さっき見た列に並ぶ。 並んだとたん、後ろに着けた人に「これ、名古屋行きですか」と聞かれるが、 僕も初めてで確信がないのでしかたなく前の人に聞いて、「そうです」と答えた。 ちなみにこの人は乗るまでも他の人に「名古屋行きですか?」を聞いてたから、 信用してなかったのかもしれない。

バス自体は前に乗ったことのある夜行ドリーム号とほぼ同じものではないかと 思うダブルデッカーで、座席はかなりゆったりしている。ぎりぎりに並んだので 2 階はあきらめ、(見たわけじゃないから、実は空いていたかも)1 階の 2 列席の 左側を確保。ヘッドフォンをはじめ、マクラまでそろっていて、今回の選択が 正しかったことを再確認(笑)

どうでもいいことだが、車内アナウンスで「Super Express」とかいっていた。 おまけにアナウンスの外人は(多分)新幹線の人と同じ声なのだ。 JR 系列の「超特急」バスだから当然かもしれないが、「Super Express」に新幹線 だけの呼称、というイメージがあったのでちょっと違和感があった。

首都高から東名に入った辺りでうとうとする。 路面からの振動が結構あるので、列車のように快適ではないが、 はじめの休憩の「足柄」までぐっすり寝ていた。

「足柄」到着が 13:05, 休憩は 10 分。停車位置が P.A. の端だったので、 一応自販機とトイレは近いのだが、食べるモノは本屋までいかないと無い。 いそいで買いに行く。P.A. に駅弁があるわけなく、しようがないのでパック 焼きソバを買って食べる。420 円なり。

定刻通り P.A. を出発。停車中になにやら客と運転手が話をしていた。 どうやら「冷房がきつすぎる」ということらしく、 苦情が多かったのか、足柄を出てから車内はちょっと暑かった。 (2階の客だったと思うので、2階席の方が冷房が良く効いていたのかも知れない)

列車にしろ高速バスにしろ、冷房が効きすぎている、というのはよくあることだから、 夏(まだ梅雨だが)に旅行するときには上着をもってきたほうがよいのでは。

「東名静岡」にほぼ定刻に到着。乗務員交替があった。大阪行き夜行でも交替していた ような記憶があるが、あれはたしか料金所を一旦出ていたような気がするので、 ここじゃあなかったのか。今回はバス専用の折り返し通路を通って再び高速へ。

静岡以降、「吉田」、「北浜松」と停まるのだが、「吉田」を出て牧の原 P.A. を 過ぎた辺りで渋滞にぶつかる。「事故」という看板がでていた。このせいで 約 10 分遅れて「北浜松」に到着。

バス停から高速道路の壁を通り、階段を降りてみると、まあ有る程度予想は していたが、ただの住宅地。バスの中で「遠州鉄道のりかえ」のアナウンスが あったので、駅が近いかどうかはともかく、鉄道の線路は近いのだろう。 しかし降りた道のどちらを見渡しても線路らしいものはない。

しようがないので、仕事の休憩でしゃがんでいた作業服のおじさんに聞いてみた。 「浜松駅のほうに行きたいのですが」 「ああ、それなら、向こうの道路にバスが走ってるよ、ボウリング場の前にバス停が」

行ってみると高速バス停留所からちょうど西に国道 152 号が走っていて いわれたとおりボウリング場とバス停がある。しかし、時刻表をみてみると、 これが 1 時間に 1 本なのだ。しかも昼間は毎時 05 分の発車で、 運悪く今は 15:20 過ぎである。

とうてい 40 分も待ちたくなるような場所ではなかったから、 「浜松市街 5 km」の標識を信じて、しばらく浜松駅方向に歩いてみる事にした。 バスと同じ道を行けば最悪 40 分とすこし後にはバスに乗れる筈である。 それに、市街に近付けば本数も増えるであろう。

道の分岐で地下道を抜け、152 号沿いに少し歩くと橋に出た。 鉄道の陸橋?と思ったが果して普通の川だった。川沿いに鉄橋が見えないかと 目をこらす。みつからない。

橋を渡り終ったところで次のバス停を見つけ、時刻を見るが、 やはりここでも 1 時間に一本、変化無し。

しかし、今度の現れた標識は「浜松市街 4 km」。ちょっと近付いた。 このあたりは平野ばかりかと思っていたが、ちょっと上り坂になる。

本当に 4 km なら 17:30 に遅れる事はないだろうが、坂を登りながら ちょっと不安になった。が、坂の上の交差点に、「(左折方向)上島駅」の 標識を見つけ、安堵する。やっぱり近くに駅があるのだ。 「1 日に 3 本」、なんていうローカル鉄道でないことを祈ろう。

国道 152 号から外れ、標識を信じて左折。今度は坂を下って行くが、 レールは見えない。が、道の両側には店がならんでいるので、 それなりに栄えているようだ。途中、また浜松駅行きバス停を発見。 今度は一時間に 3 本、しかもあと 5 分で次の便がくるというではないか。

しかし、である。近くに駅の存在を知りながらバスに日和ったのでは 鉄道ファンのはしくれとしてはあとで後悔するというもの。 さらに進むと、やっと「上島駅」の看板が見えてきた。

駅前には駐輪場もある。恐れていた「1 日に 3 本」の駅などではなさそうで、 ちょっと安心。駅は島型ホームで、踏切を渡って構内に入る懐かしいタイプ。 架線がある、ということは、電車のようだ。両側に伸びるレールをみるに、 単線の鉄道で、ここは交換可能駅、ということらしい。

自動改札ではないが、切符は販売機で買うようになっている。 なんと初乗り 100 円。素晴らしい。新浜松駅まで 150 円。 時刻表によると、なんと昼間でも 12 分おきに便がある。 これでこそフリークエントサービス。1 時間に 1 本では誰も乗らないものね。 運賃も安いし、まさにローカル私鉄の鏡(笑)

改札の所に周辺地図があったので見てみると、どうやら高速バス停の近くに 「自動車学校前」駅があったらしい。僕はどうやら国道 152 号を一駅分 南下していたのだ。あのおじさん、どうして駅を教えてくれなかったのか。

そんなことはともかく、こうして無事鉄道の駅にたどり着くことができた。 2 両編成の新浜松駅行きに乗る。神戸電鉄を思い出す感じの、なつかしい匂いの する電車。赤い塗装に白いアクセントが入っている。 中は連結部がかぎ型に広く空いていて、車両間の往来がしやすくなっていた。

駅間は予想の他短く、ホームが両方向共通の駅もあった。 おもしろかったのは、交換可能駅で、島型ホームの向かって右側に止まった駅が あったこと。単線鉄道ではめずらしくないのかもしれないが、 複線左側通行の鉄道にばかり乗っている身にはちょっと不思議な感じ。 市街に向かう途中から単線高架鉄道になる。

お昼は焼きソバしか食べてないし、高架の上から眺めていると、 第一通り駅手前で「PENGUIN'S CAFE」(アルファベットで書いてあったか どうか確かでないです。間違ってたらごめんなさい)とかいうちょっと 変わった感じの喫茶店(岩男さんのライブだからペンギンってわけじゃないけれど…)が 気になったのだが、結局終点の新浜松まで乗って、一旦荷物をコインロッカーに 置いてからぶらつくことにした。

17:30 までは、まだ 1 時間以上はある。ライブの会場は駅ビル内なので、 お金を下ろす銀行を探すついでに、駅の周囲をぶらついてみる。 駅の南側はなんの変哲もないかんじ。ROYAL HOST があったが、 一人で入るのはちょっとね。

南西のビルの角を入った所に金券屋。東京で急いで買う事はなかったのだ。 でも、こっちは東京ー浜松 7050 円。130 円の差は果して高いか安いか。

駅のガードを潜り北側へ。こっちのほうがちょっと開けている感じ。 お目当ての住銀は結局見つからず、第一勧銀で下ろす。 手数料がちょっとむかつくが、しようがない。

銀行前の地下への入口に「アイドル写真館、原宿うんぬん」と書いてある 看板が目に入ったので降りてみる。なぜか「アイドル写真館」だけが 地下道(地下街、ではない。地下道なのだ)の片隅に存在している。不思議な空間。 結局中には入らなかったが、雰囲気からブロマイド屋らしい。

ふとさっきの「ペンギン喫茶」を思いだし、そっちに向かってみる。 ひと駅前だが、思いの他近かった。普段普通っぽくない店に入るにはちょっと勇気が 要るのだが、今回は珍しく躊躇なく入る気になってしまった。

ドアを開けて中にに入ると、外のペンギンな感じ(笑)とはちがって、 ごくふつうの喫茶店で、ちょっとほっとする。 和風スパゲッティをメニューの中に見つけ、注文する。 たしかきのことベーコンだったと思う。注文のとき、「ソースはニンニクですか、 しょうがですか」ときかれ「ニンニク」と即答するも、あとのライブのことが 頭をよぎったので、となりのヒトのコトを考え「しょうが」にしてもらう。 しょうが味のはどんなのになるだろうと思ったのだが、とても美味しく、満足。

マスターも丁寧で良い感じで、近くに有ったら多分常連になるだろうな、 というお店でした。 浜松へお寄りの節はぜひ一度行ってみてください。 遠州鉄道の高架ぞい、電車からだと浜北側から第一通り駅のすぐ手前東側に ペンギンなお店が見えるはず。ちなみに日曜は定休だって書いてありました。

今度僕がまた浜松に来るときまでどうか営業していますように。 実は平日や朝は人気のある店かもなのかもしれないけれど、 僕が食べてる間ほかにお客さんが来なかったのでちょっと心配。

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(2003.10.20 補足)

なんの因果かその後中部に移住することになり、用事で 2002 年の秋浜松を訪れた。
このときは名古屋から新快速、各駅停車のりつぎ。

ずっときになっていた喫茶店を3年前と同じように探したのだが、無かった(たぶん。場所間違えてる可能性はある)。
すこし残念。不思議な地下道(街)の「アイドル写真館」はまだ存在していた。なんだかなー。


ライブレポート本編へつづく


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